Recruiting 2020
イメージ

CANAME
PROJECT STORY

PROJECT KEYPERSON
鈴木 和浩
ルーフシステム兼新製品開発部 部長
イメージ
イメージ
チタンカナメ段付本瓦葺き
開発プロジェクト
歴史を更新する、新しい瓦をつくれ
古くから、社寺や城郭に用いられてきた、本瓦葺き(平瓦と丸瓦とを交互に組み合わせて並べる屋根の葺き方)。加工性の良い銅板を使ったこれらは広く普及し、様々な建物で目にすることができます。しかし、近年は環境変化などの影響からその腐蝕などが問題視され、“銅板よりも強く耐久性のある金属”が求められていました。当時を振り返り、鈴木は言います。「チタン瓦は、明らかにその答えの一つでした。と言うのも、実は当社が本格的に発売する前から、製品としては存在していたほどなのです。ただ、当時はまだ平葺きと呼ばれる葺き方しかなく、さらに施工例も少なかった・・。そこで、カナメの技術力で“次世代の本瓦葺きを担うチタン瓦”を開発しようとなった訳です」屋根材の中でも最も硬いチタンは、その耐久性はもちろん、メンテナンスの必要もない。また、加工テストをおこなった際も、「製品化は可能」という判断が出ました。こうして2005年、『カナメ段付本瓦葺き製品化プロジェクト』は招集へと至ったのです。
イメージ
現代の名工が生んだ、チタン瓦専用の工法
「“スプリングバック”ってご存じですか?簡単に言えば、金属を加工する際、元に戻ってしまう現象を指します。私たちの前に立ちはだかった壁は、まずこれでした」鈴木がこう話すように、チタンの持つスプリングバックの強さは、想像以上でした。銅のように曲げても、元に戻ってしまう。“重ね式”や“嵌合式”といった他の施工方法でも、やはり強度や構造に問題が出てしまいます。「困ったな……」と頭を抱えた鈴木らを救ったのは、カナメの新製品開発部における技術顧問であり、厚生労働省認定の『現代の名工』でもある、星正申(まさなか)だった。鈴木は言います。「星さんを中心として、チタン専用の新工法“スライド式”を開発しました。山瓦を叩かないので見た目が美しくなることに加え、チタンならではの滑りの良さを生かしたこの工法は、まさに“チタン瓦のための工法”。現場加工を極力なくし、屋根上で組み付けることができるため、熟練を要しない点もメリットでした」“伝統的な仕上がり”“生産性”“性能”といった様々な課題をクリアする工法を生みだし、プロジェクトは前に進み続けました。
イメージ イメージ
「売れるわけない」から始まった、快進撃
やっと完成に近づいた、カナメ段付本瓦葺き。しかしながら、最初にそれを見た当時の営業は「こんなもの売れるわけないだろう!」と、笑いながら話しました。それもそのはず、その想定価格は銅板の約2倍。大きな社寺で屋根全体を施工すれば、数千万以上から数億円に及ぶほどだった。「社を挙げて取り組んだプロジェクトだったが、現実的ではなかったのか……」そんな不安がよぎったある日、鈴木らの元に朗報が届きました。「東京・浅草の浅草寺様が、チタン瓦を採用して下さったんです。都内最古といわれている寺院である浅草寺は、全国トップクラスの参拝者数を誇る場所。そこで採用されたというニュースは、社内外に大きなインパクトを与えました。以来、チタン瓦は、我々の想像を超えるペースで市場へ流通していくことになったのです」最初の受注が浅草寺様とは何とも縁起の良い話ですが、2007年、宝蔵門に初採用されて以降も、2010年には本堂、2016年には五重塔と、チタン瓦は連続して採用いただきました。もちろん、浅草寺以外の各地でも、その波は広がっています。加えて、『2018年度グッドデザイン賞』『中小企業庁長官奨励賞』など、社外の賞も獲得し、鈴木は言います「後で聞いたのですが、工事の終えたチタン瓦を見て、瓦業者の方が“(一般的な粘土の)瓦で葺き替えたんだな”と思ったそうです。最後まで諦めずに、意匠にこだわって本当に良かった。まだまだ課題は多いですが、より良い商品へと改善していけるよう、これからもこだわっていきたいです」そう話す鈴木には、チタン瓦の新しい姿が見えているようです。
イメージ
イメージ
カナメソーラールーフ
開発プロジェクト
目指すは、屋根とソーラーパネルの
“一体化”
新たなエネルギーへの注目が高まる中、普及が進むソーラーパネル。しかしながら、多くのソーラーパネルは、“屋根との間に隙間が生まれる”“新築の際は工事が二回発生する”“傷んだスレート屋根には設置が難しい”など、様々な課題がありました。開発に携わった鈴木は言います。「屋根メーカーとして、こうした現状を打開する新たな製品を生み出せないかと考えました。そこで出たのが、“一体型”というアイデアです」会長の渡部を起点に生まれたというそのアイデアは、それまでのソーラーパネルの常識を覆すものでした。屋根と一体になっているため、工事も一度で済む。どんな屋根にも対応ができ、何より見た目が美しい。「ほとんど屋根にしか見えない」というところをゴールに設定し、『カナメソーラールーフ製品化プロジェクト』は、2009年から始まりました。
イメージ
“プラモデル”を目標に、ハードルを超える
鈴木は、カナメソーラールーフの理想像を“プラモデル”と話します。「開発を通じてこだわったのは、外周部の施工法。色んな形状の屋根に合わせながらも、簡単に施工できる製品にしたかった。そのために、何度も意見を集め、何度も改良を重ねました。そのバージョンは、10どころではありません。モジュールメーカーや関係者が集まるレビューの最中に、上手くはまらない……という失敗をしたことすらありますよ。とにかく、苦労しました」“街の電気工事店の方でも施工できる製品にするのが目標”と話す通り、そのこだわりに一切の妥協はない。何より、そうでなければ需要が生み出せないと考えたのでしょう。また、当時はまだ太陽光電池自体が黎明期にあり、性能面における課題も山積みだったといいます。「とにかく、一つひとつに向き合って、確実に問題を潰していかなくてはいけない。そのため、プロジェクトメンバーが一丸となって問題と向き合い、より良い答えを導けるよう努力しました」たくさんの声と、たくさんの努力。こうして、カナメソーラールーフは完成へと近づいていったのです。
イメージ イメージ
多くの尽力で辿り着いた、目指したゴール
このプロジェクトのMVPは誰ですか、という質問をしたところ、鈴木は迷わずに一人の名前を上げた。「開発部の課長代理である矢吹さんです。カナメソーラールーフに関するお問い合わせに対して、完璧に答えられるのは、彼以外いません。それほど、本件に関しての造詣が深いし、その向き合い方も随一でした。開発に際しては、数え切れないほどの課題が押し寄せます。先に述べたような失敗もありますし、ビジネスとして成立するのかという不安もある。その中でも、彼は寄せられる様々な要望に耳を傾け、それを受け止め、真摯に対応していました。誰にでもできることではありませんよね。尊敬に値すると、私は思います」もちろん、ヒーローは一人だけではない、鈴木や矢吹をはじめ、プロジェクトに関わったあらゆる人の尽力があったからこそ、製品化は成されたのだ。その結果を、鈴木は話してくれた。「“屋根にしか見えない”と言われた時は、やっぱり嬉しかったですねぇ。それまでのソーラーパネルは端から端まで付けられないのが常識だったのですが、この製品ならピッタリと端まで施工できる。本当に、屋根のようなんですよ。『2015年度 グッドデザイン賞』など、社外からの評価も頂いています」。ひと言から始まったアイデアは技術へと具体化し、やがて「ほとんど屋根にしか見えない」というゴールへと辿り着いた。日本の屋根が変わる日も、そう遠くはないでしょう。
イメージ
↑